あなたが知らない見積もりの見方・読み方!!【賢い注文住宅】

見積もりの見方

 

 

設計図書が、施主と設計担当者との相互の意思伝達手段であるように、見積もりは、施主とハウスメーカーや工務店との意思疎通の基本になるものです。見積もり書は、設計図書と同じく新しい住まいへの希望事項が具体的に表現されているものです。敬遠せず、十分に検討すべきなのです。ここでは、見積もりの見方読み方を解説しています。

 

 

見積もり書とは

実施設計図書が完成してから、ハウスメーカーや工務店に見積もり書を依頼することになります。見積もり書の役割は、単に総額を提示するだけではなく、費用の内訳をある程度明確にして、採用する材料のグレードや含まれる工事の範囲を確認し、さらに建築後のメンテナンス等の費用も同時に考えることにあります。詳細な見積もり書を作成するには、それだけ詳細な図面や仕様書・仕上げ表が必要です。いわば見積もり書は、設計図書と一体なのです。ですから、見積もり書を見て検討するときは、設計図書あるいは間取り図、プラン図等をそろえて、一緒に見るべきなのです。

 

 

 

見積もり書の種類

部位別見積もり(大手ハウスメーカーの見積もり)

大手のハウスメーカーでプレハブ工法(工業化住宅)の住宅を建てる場合は工場生産された、ほぼ完成品による家づくりとなります。ですから、建物そのものの図面をあまり必要としません。したがって、見積もりの内容も、ほとんど「標準仕様一式いくら」という表現になっているのが実情です。

 

同じハウスメーカーでも自由設計の場合の見積もりは、部位別見積りが一般的となっています。部位別見積もりというのは、躯体や屋根、建具など、建物の部位ごとに、その下地から仕上げまでの費用を算出したものです。素人でもとても分かりやすく、どの部分にどのくらいの金額を割り振るのかといったコストプランを考えるのに役に立ちます。

 

工種別見積もり(工務店の見積もり)

工務店などの一般的な見積り書は、工事の項目や種類ごとに金額をまとめる工種別見積もりが一般的となります。一般建築工事の場合、「工種別内訳書標準書式」として民間業者団体間の協定で定められた正式な書式がありますが、住宅の場合は、消費者に分かりやすくするため、工事の分類を簡略化しています。
ついては各面の外壁・建貝・屋根などを、内部については各部屋の床・幅木・壁・天井などの、下地から仕上げまでの材料、採用する長さや面債を拾い出します。そして、工種別に集計して金額を入れたものが見積もりとなります。

 

設計事務所が行う相見積り

住宅展示場で住宅選びをする場今、それぞれのハウスメーカーの見積もりをとって比較検討します。それも大きな意味では相見積もりといえるかもしれません。しかしデザインや工法、特に性能がかなり異なるもの同士では正確な比較は難しいのが現実でしょう。

 

undefinedしかし、設計事務所や建築士に依頼して家を建てる場合は一般的に、施工会社の選定を兼ねて、工務店3~5社程度で相見積もりを行います。同じ設計内容で見積りを取り比較するのです。設計内容と同レベルの実績や、地域性を考慮して、期限を決めて依頼を出します。工務店の規模、得意不得意、業務状況、経営状態や市況など、いろいろな条件によって見積もり金額に差が出ます。特に、指定された材料やデザインに対する経験の有無や得手不得手、図面の解釈の仕方によって、見積り金額に差が出ることはやむを得ないといえるでしょう。その意味でも、3~5社くらいから見積もりを取り、比較検討することによって、妥当な金額を探し出すべきなのです。なお、見積もり書のチェックは依頼した設計事務所や建築家が行ってくれます。

 

※効果的な値引き交渉!!

 

 

相見積りの正しい比較方法

各工事ごとに金額を比べ、内容を検討する!!

 

3社程度の見積書が出そろったら、金額や内容を比較します。とはいっても、業者により見積書の様式が異なる場合が多いので、パッと見ただけでは違いがなかなか分かりません。そこで、工事費内訳書の各工事費(仮設工事・基礎工事・木工事・内装工事など)ごとに、A社・B社・C社を並べて金額を見比べていきましょう。極端に金額が違う場合には、工事費内訳明細書の該当箇所を見比べて原因を調べるようにしましょう。材料や設備のランクに大きな差があったり、要望がうまく伝わっていない場合もあるので注意しましょう。

 

施工業者はそれぞれ自社の個性や得意分野を打ち出したプランを作成するので、一概に金額だけで判断することはできませんが、自分の建てたい家にどの業者が一番適しているのか、判断するいい材料になります。

 

コストダウンのアイデア
家全体を支える基礎や構造材への費用を惜しむと地震に弱く寿命の短い家ができあがり、結果的に損をすることになりかねません。それ以外の箇所を見直しましょう。

 

設備

【メーカ指定をやめる】

施工業者と普段から取引のないメーカー製品を指定すると割高になります。よく似た仕様で別のメーカー製品にすることで、コストダウンにつながる場合があります。

【自分で割安のものを探す】

施工業者がすすめる製品以外にも、自分でショールームやカタログを見て割安な製品を探す方法もあります。インターネット取引に慣れていれば、ネットオークションで入手する方法も。

 

プランニング

【壁や凹凸が少ないプランにする】

壁や凹凸が多いとその分、材料費や人件費がアップしてしまいます。空間設計はシンプルで間仕切りがないほど割安になります。

 

【水回りは一カ所に集中させる】

キッチン、バス、トイレなどの水回りを1階・2階とも同じ場所に集中させると、配管工事費が抑えられ、騒音の心配もなくなります。

 

手づくり

【できるだけDIYをする】

外構、造園、棚のつくり付けなど、自分でできることは自分で行うと、その分の費用がかかりません。家族全員で家づくりを楽しむ時間にもなります。

 

 

見積書は設計図と一緒に見ること!!

工事総額だけでなく、各工事の明細もチェックする!!

 

プランがまとまってきたら、次は見積書になります。これまでさまざまな工法やプランを検討してきた人も、最終的には3社程度の業者から見積書を提出してもらい、相互に検討をして契約に至るケースが多いようです。このように複数の業者に見積もりを依頼して、内容や金額を企画検討することを「相見積り」といい、同じプランであっても1割程度は差が出ると言われています。

 

見積書は表紙、工事費内訳書、工事費内訳明細書で構成されています。見積書を受け取ったら、設計図と合わせて内容をチェックしましょう。そのためにも、工事費内訳明細書に各工事の材料や数量、単価、工賃などの細かな工事内容が記載されていることが重要です。各工事の金額を、一式表示するだけの業者は選ばないようにしましょう。

 

 

別途工事費が含まれているかチェック!

 

プランニングにあたり、いろいろな希望やアイデアを出す検討段階を過ぎ、ある程度具体的な設計図ができたときが見積もりのベストタイミングになります。ただし、見積もりの依頼は、納得のいくプランを提案してくれた業者3社程度に絞りましょう。あまり多すぎると見比べるのが大変でわずらわしくなり、疲れてしまいます。逆に1社単独の見積もりだと比較の対象がなく、高いのか安いのか判断がつかなくなるので失敗のもとになります。

 

見積書を受け取ったらすぐに、見積書に含まれているもの、いないものを把握するようにしましょう。例えば、カーテンの取り付け工事費やエアコンの空調工事費、外構工事、地盤調査の費用などの別途工事費です。家を建てる建築業者とは別の業者に依頼するケースもありますので、必要な見積もりをとってチェックしましょう。

 

 

見積もり書の中身・内容

御見積書

見積り書の書式は、「御見積書」「工事費内訳書」「工事費内訳明細書」の3で構成されます。表紙には、見積もりの金額のほかに工事名・工事場所・工事期間・見積りの有効刮限・支払条件が書かれています。支払条件には、支払い回数や時期が記されます。これは、契約または着工時・上棟畤・竣工時の3回が一般的な慣習となっていますが、住宅金融公庫の中問金の貸し付け時期や木工事後に搬入される住宅設備機器の金額が大きい場合を考慮して、出来高に合わせ支払い回数を増やすことが多くなっています。

 

工事費内訳書

各工事科目の金額を「一式」としてまとめ、建築本体工事、設備工事、付帯工事、諸経費と大別した構成になっています。設備設備工事とは、電気・水道工事と、住宅設備機器工事をいいます。それに事例ごとの特別なという意味で付帯工事があり、その合計に対して諸経費を%で表します。諸経費とは会社を運営するのに必要な現場経費、一般管理費、営業利益などをいい、その額は10%前後が一般的となっています。「原価でサービスします」と言われても、この比率が極端に少ない場合は、その分か他の工事科目に振り分けられているケースがあります。ここは業界内では「ブラックボックス」ともいわれ説明が難しいのですが、ただ安いのではなく、労力に見合う適切な金額が提示されていることが、正確な見積もりといえるでしょう。

 

なお、いわゆる「坪単価」というのは、床面積1坪あたりの工事費ですが、建築本体工事費たけを対象とする場合と、設備工事までを含める場合の2種類があります。付帯工事や諸経費は含まないのが一般的です。このあたりのトリックを上手に利用しているのが、ローコスト系のハウスメーカーです。坪単価が小さくなるように建築本体だけで坪単価をはじき出しています。タマホームやアイフルホーム、アキュラホームなどがそうです。あるいは地方の激安工務店もこの手法で坪単価を計算しています。ですから、実際に建てると広告で見たような安い坪単価では収まりません。お気をつけください。

 

工事費内訳明細書

工事費内訳書に記載された工事科目ごとに、使う材料の種類、その数量と単価、あるいは労務費などを細かく記載したものが、工事費内訳明細書です。金額は「数量×単価」で表されます。単価は、厳密には材料費に労務費や経費などを加えた金額なのですが、実際の見積りには相場や資料原価などが利用されます。一般の方には少し見にくい見積もりになります。

 

別途費用

別途費用には、設計監理料や確認申請費用、設計段階では確定できないカーテン類・照明器具・造園・特注家具などの別途工事費、地盤調査や地鎮祭費用、不動産取得税・登記費用、ローン手数料、仮住まいや引越し費用などが含まれます。これもそれぞれの条件によって大きく異なってくる見積もりです。

 

特にハウスメーカーの見積り書は、請負金額のほかに「別途費用」の項目が並べられていて、家づくりのトータルの費用が分かりやすい見積もり書になっているのが大きな特徴です。しかし、通常は、「見積もり書に記載無き項目はすべて別途工事とします」などの但し書きがあり、これらの費用は見積もりに含まれていません。総費用の最終的な判断をするときには、その範囲が見積もり書に含まれているかをよく確認し、含まれていないものは、専門の工事会社から見積もりをとるか、設計担当者に概算を確認するようにしましょう。

 

 

見積もり値引きとても役立ちます。値引き交渉の際には有効なツールとなります。そのためにも、見積もりをある程度理解できることが必要です。

 

 

数社から見積もりをとるときは「談合」に注意しよう

ハウスメーカーの一部には、談合体質が根本から染みついています。何かあるとすぐに、互いに談合しようとするのです。ですから、数社から相見積もりをとるときは、談合させないように気を配る必要があります。どこの会社に見積もりを依頼しているか言わなければ、大丈夫です。

 

いちばん有効なトラブル回避策は、契約段階でいろいろな文書を取堊父わしておくことです。たとえば、工事工程表を用意してもらうことです。こちらが要求しなければ工程表を出してくれない場合があります。工期が遅れた場合の責任を明確にするためにも必須条件です。また、トラブルが起きた場合の対策についてもこの段階で決めておきましょう。雨漏りが起きたらどうするか、注文どおりに仕上がっていなかったときはどうするか、工事遅延による損害が生じた場合の違約金はどうするかなどについて、できるだけ具体的な対処法を決めて、契約約款に特約条項として盛り込んでおきます。

 

できれば契約約款は業者に用意させるのではなく、施主側から提示できればベターです。業者が用意するものは、おそらく「四会連合書式」という市販されているものです。当研究所では、依頼を受けた方に対て独自の契約約款を作成しています。なかにはこの約款では契約できないと言う業者もあるかもしれませんが、逆にそれは健全な経営、健全な技術をもっていない業者であるという判断材料になります。

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