注文住宅の見積もり比較

見積もり比較

 

 

見積もりを比較することが重要!!

家づくり経験者の話を聞いたことがありますか。たいていの経験者は複数のハウスメーカーとの問で話を進め、プランを描いてもらうと同時に見積もりを依頼しています。そして結果をもとに、最終的な依頼先を絞り込みます。いくら要望が盛り込まれていたとしても予算を大きく上回る見積もり金額では困りものです。しかし相手によっては、プランを見直しながら見積もり金額が予算内に収まるように打ち合わせを重ね、最終的には満足のいくものになることもあるでしょう。絞り込みにあたってのふるいは、要望の盛り込まれたプランが予算内で実現できるか、という視点です。盛り込むべき要望は共通だとしても、プランへの反映のさせ方は異なるでしょうから、見積もり金額にも多少の違いは見られます。

 

見積もり比較しないリスク

ただし、敷地条件からおのずと決まる住宅の規模という前提条件は共通です。規模がそう変わらないのであれば、工事費用にもそう大きな差は生じないようにも思えますが、必ずしもそうではありません。そこに大きな開きが見られることもあります。住宅会社によって見積もりではじき出される額が大きく異なるのは、なぜなのでしょうか。プランの違いを差し引けば、どこに原因があるのでしょうか。

 

一つは、ハウスメーカーの見積もりの計上方法に統一性がないからです。例えばキッチンの金額として、キッチン本体の値段のみを計上する会社もあれば、キッチン本体と取り付け費を含む会社もあります。キッチン取り付けに伴う水道や電気などの工事費も含める会社もあるのです。

 

もう一つは、家づくりに直接掛かる費用とは別に、住宅会社を維持するのに必要な費用も含まれているからです。その金額は費用の性格上、どのような住宅を建てるのかという点とは無関係な場合が往々にしてあります。

 

ハウスメーカーの収入は原則として、住宅の工事代金です。そこから得た金額で、さまざまな支払いを済ませる必要があります。そしてそれは決して、工事に必要な材料や職人の賃金だけではないのです。例えば、社内で営業や設計を担当する従業員の賃金も必要です。オフィスや住宅展示場など事業に必要な拠点を維持する費用も掛かります。テレビでCMを流したり、新聞・雑誌に広告を出したりして宣伝するなら、その費用も不可欠です。

 

これらの費用をどこで賄うかといえば、それは、建築主から支払われる工事代金にほかなりません。一般に、大手ハウスメーカーほど見積もり金額が高くなる一つの理由は、会社を維持するのに必要なこうした費用がかさむからです。

 

見積もりと値引きの関係性

見積もり比較で値引き

 

それは、工事価格の値引きという現実からも明らかです。これまではデフレという事情もあって、予算に対する配慮、建築主との関係強化、価格競争の激化を背景に、住宅会社は値引きに応じたり自ら値引きを持ち掛けたりしてきました。しかし、見積もりで工事ごとに積み上げてはじき出した価格を、一気に値引きされると、建築主としてはうれしい半面、積み上げてきた費用は何だったのかという気にさせられるのではないでしょうか。

 

規模の小さな工務店であれば、値引きは赤字受注につながりますから、それを繰り返すごとに経営は圧迫されます。受注件数はそう多くありませんから、どこかの案件で生じた損をほかの案件で埋め合わせることはそうできません。ところが、規模の大きなハウスメーカーであれば、それは十分可能です。どこかの案件で大幅値引きに踏み切って原価割れしたとしても、その分を、予算に余裕のあるほかの案件で取り戻すことが可能です。大手の強みともいえます。

 

ただそれは、建築主にすれば、極めて不透明なやり繰りです。値引き前の工事価格が果たして適正だったか、判断のしようがありません。見積もりの根拠というのは、極めて希薄です。