現場には足を運ぼう!!

現場足

 

住宅の建築は監理者をたてておけば、現場の工事監理はまかせておいて基本的には大丈夫なはず・・・しかし、いい家を建てるためには、施主みずからが現場に足を運んでおいたほうが良いのです。いえ、積極的に行きましょう。あたりまえですが、工事監理は監理者の仕事です。施主であるあなたの仕事ではありません。しかし、その監理者は、自分で選定し、委託契約した監理者なのでしょうか?

 

本来、監理者は施主自らが選定し、任命することになっていますが、設計・施工一体契約の場合、ほとんど建築主が選べない状態で監理者を選定されてしまいます。特にハウスメーカーの家づくりは、このパターンが一般的です。そして、そうやって決められた監理者は、本来の監理業務を行わない、または行えないケースが多々あります。最悪の場合は、ただ名義を貸しているだけで、現場に一度も見にいかないなんてこともあり得ます。契約時に大幅な値引きに応じた場合は、このようなケースがよく見られる現実があります。そのような場合は、自分で建築現場を見るかどうかという以前に、第三者の監理者を選定し、工事監理を依頼することを強くお勧めします。施工者側の理由などで監理が行えない場合は、工事チェックだけでもしてもらうことが良いでしょう。

 

 

 

現場に何度も通うといい家ができるのか?

設計と監理、その両方を満たし、建築現場がはしまったとします。ですが、いい監理者がいるからといって、監理者に現場をまかせっきりでよいのでしょうか?ある住宅関連ポータルサイトの調査で、「建築主が現場に通った回数と、住まいの満足度は比例している」という結果が出ています。つくられていく過程を見て、つくっている職人さんと接することで、建物の見えない部分も理解できるのです。人の手によってつくられていく実感を味わうことで、強い愛着も湧いてきます。信頼できる監理者なら、まかせておいても心から安心かもしれませんが、ご自分の住まいです。建築の過程を自分自身で見ておくことは重要です。

 

また、現場監督や職人とコミュニケーションをとることも必要なことかもしれません。人は顔を見たり、接する機会をもつことで、相手に対し思いが生じるものです。職人としても、誰の住まいだか分からないものをつくるより、家族の顔が分かったうえで、「その住まう人たちに喜んで暮らしてほしい」と願ってつくるほうが、気の入った作業になるでしょう。自分がつくっていると知られているのですから、責任感も強くなるのです。施主としては、「邪魔になって迷惑かな」と思って行きにくいかもしれませんし、場所が離れていれば、行きたくともなかなか行けないかもしれませんが、それでも要所要所には顔を出して声をかけ、「ご苦労さまです。いい出来を楽しみに期待しています」と職人のモチベーションを上げることは、施主ができる「いい家づくり」のひとつの手段なのです。

 

技術的な部分は監理者にまかせられても、精神的な部分は施主でしかできないこともあるのです。ですから、まかせっぱなしはよくありません。建築は機械がつくっているのではなく、多くの感情のある職人たちの手によってつくられていくものです。大手のハウスメーカーの工業住宅でもそれは同様です。

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「心配」だけが理由で足を運ぶのはダメ!!

建築現場にちょくちょくやってきては、やたらと不安がる人がいます。現場に出掛けること自体はいいのですが、工事途中の様子を見て心配してばかりするのです。現場は、現場監督が見て職人さんに是正させ、監理者が見て監督に是正指示しつつ、工事を進めていきます。手づくりなので一発ですべてが進むものでもありませんので、ちょっとした手違いや進行の遅れはあって当然なのです。ですから、あまり心配する必要はありません。監視にいくのではなく、建築の依頼主として顏を出し、職人さんや監督さんにひと声かけるくらいのほうが、スムーズにいくものです。心配そうな顔は、職人たちにも悪影響です。